ひかりの滝

絵のエピソード
水彩 333×242mm     F4        Creema ポストカード販売中
この絵は、まず水の部分を残しながら周囲の岩を描いて、

紙を縦にして、白を上から本当に滝のように流して仕上げました。

水しぶきは、歯ブラシに白をつけて指でパッと弾いています。

流したり、弾かせたり、にじませたり、ドキドキしながら制作しました。

まさに水彩の面白さを詰め込んだ作品です。

 

実は、水彩画をちゃんと(?)描き始めたのはここ数年です。

“にじみ”や“流れ”も、以前は苦手でした。

予測不能で思うようにいかないから。

慣れてきて、水分の加減もつかめるようになっても

完全には形をコントロールできない画材です。

 

そんな時に出会ったのが、シュタイナー教育で行われる

子どものための水彩。

しっかり濡らした紙に、赤・青・黄の三原色だけを太い筆でのせていきます。

濡れた紙に、色がぱぁっと広がり、オレンジや紫、緑が生まれてきます。

子どものアトリエをしていた頃、よくこの描き方を取り入れていました。

「わあ〜きれい!」と目をまんまるにする子どもたち。

その姿を見て、本当にそうだなあと思いました。

「わあ〜」っていう言葉にしかならないけど、

色が広がり混ざるだけで、心までふわ〜っと軽く、

広がる感覚になります。

 

そこから私自身も、水彩にハマりました。

三原色だけで描いてみたり、他の色も足したり、

濡れた画面に塩を撒いたり、画面に色を流したり。

色と水と仲良くなって、

毎日少しずつ、深く知っていく友だちみたいな感じです。

 

昨日まで蕾だったバラが、ふと朝に咲いているのを見つけた瞬間。

心の中に「ポトン」と何かが落ちて、ふわぁ〜っと喜びが広がる。

そんな絵を描きたいと思いながら、日々もがきつつ筆を動かしています。