前に住んでいた家では、子ども対象のアトリエ教室を開いていました。
2歳〜12歳までの子どもたちが来てくれました。
4人までの90分クラスを、1日2回。
初めた頃は、緊張した子と静かな時間の中、マンツーマンの時もありましたが
おかげさまで1年たつ頃には、めちゃくちゃ賑やかでした。
今も使ってる「atelier balnco」はその時の名前です。
子どもとガッツリ向き合うと、体力的には終わるとヘトヘトでしたが、
心がすごく軽いんです。
「ただいまー」って来てくれる子、「帰らない」と言って座り込んでる子、
本当に愛しい存在でした。
絵を描きながら、とにかくよく喋る子も多かったです。
「こんな話、私が聞いていいん?」という事も、色々話してくれました。
「上手い下手ではなく、アートは心の表現ツール」
というアートセラピー講座で学んだことの影響も大きく、
とにかく子どもに絵の技術だけを「教える」のはやめようと思っていました。
私自身、芸大を出てるわけでもなく、教える資格も免許も持ってませんし…
「自由に描いて」と言われて描けるのは、
絵がめちゃ好きな子以外は、未就学児である5歳くらいまで。
来てくれる子は、小学生が多かったので
テーマを決めたり、すぐ手にとって作りたくなるような素材や画材にしたり、
と毎回考えました。
「下手やもん」と、
人と比べたり、評価を受けるうちに表現を諦めがちになるのは、
大人もですが、本当にもったいない。
絵の技術だけじゃなく、描いた絵の話をしてもらうと、
善悪超越した、ファンタジーにホラーが混ざったり、まさかのバッドエンドと、
とても豊かな世界観が広がったりします。
子どもが絵を持って来たら
「上手やね」で終わらず、
「前もこの色使ってたね」
「この人(動物)は、どんな気分?」
「この続きはどうなってんの?」とか色々聞いてみてください。
「いつの間に、こんな物語が語られるようになったんだろ?」
「あ〜これは今好きな〇〇に影響されてるな」
と色々感じると思います。
「めんどくさい」も子どもはよく言いました。
絵の中で、鬼や敵がいっぱい出てきて、破壊行動もよくしていました。
汗だくで、粘土をずっと叩きつけてる子もいました。
どれも、その子のその時の心の表現だったんだと思います。
90分の間に泣いてるかと思えば、ゲラゲラ笑ったり。
あの立ち直りの早さ、私も欲しいと何度も思いました。
この絵は、赤、黄、青の3原色で描いています。
子どもたちを、空で唄い、羽ばたく鳥たちで表現しました。
鳥の数と、その当時アトリエに来てくれていた子どもの数が同じです。
私は家を引っ越し、今はマンション住まいです。
アトリエはできなくなり、前の家も壊され、駐車場になっています。
6年経ちました。
もう会っても分からない位、子どもたちは大きくなってるでしょうね。
皆、のびのび羽ばたいていることを心から願います。