水彩 240×190mm F2
今までの引っ越し回数は、8回。
そのほとんどが、かつて「ニュータウン」と呼ばれた、
現在の「オールドタウン」です。
小学4年の時、父が念願のマイホームを建て、ニュータウンから
更に新しいニュータウンに引っ越しました。
本当に、何もかもが「ニュー」でした。
道路も歩道橋、信号機も,学校も椅子も机も、街路樹はまだ苗木でした。
団地がたくさん建てられ、番号が壁面に掲げられ、
まだ戸建ての建っていない白い空き地が遊び場になっていました。
転校生は全く珍しい存在ではなく、
子どもが増えすぎて、学年途中でクラス分け。
それでも教室が足りずに新しい学校が出来る‥と、
今の少子化では考えられない状態でした。
あの頃、家を買って移り住んだ若い夫婦が高齢者となり、
今は建物も建て替えが進む、オールドタウンになりました。
団地が並ぶ風景に、私はとても郷愁を感じます。
カーテン越しの家の灯り、暖色系のオレンジ色、
蛍光灯はグリーンに見えます。
黒々とした木も、オールドタウンになった街では大きく育って
枝はレースのようです。
夜の団地の風景が好きです。
団地の敷地内を歩くと、夕ご飯の匂い、テレビや子どもの声。
お風呂から石鹸かシャンプーの匂いもしてきたり。
ひとつひとつの窓に人の生活があるんだと思うと、
夜道で1人でも、ほっと暖かい気持ちになります。
夜中まで起きていると、たくさんの団地のあかりは消えて、
数える位のあかりになります。
「あの人(知らない人だけど)まだ起きてるな」
と勝手に親近感を感じたりしてます。
神戸では、海沿いで素敵な夜景が見れますが
郊外の団地の夜景もいいもんです。